◯高齢者 / 低栄養リスクの一つとしての「フレイル」と毎日ごはん
2014年5月発出された「フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント2)」において、フレイルとは「高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転機に陥りやすい状態」と定義されています。
噛み砕くと、加齢と共に健康な状態から認知症や他身体的能力の低下により「健康ではない期間 (要介護が必要)」の状態に到達するまでの段階であり、然るべき介入により再び健常な状態に戻ることができる状態です。高齢期の生活では「フレイル」を先送りすることが健康長寿の秘訣とも言われています。
【フレイルの多様性】
出所:秋山雅弘「高齢者のTotal Management 〜フレイルにならないために〜」
そして『基礎体力を維持する運動、十分な栄養の補給、社会との関わりを持ち続けることが、フレイルの先送りにつながる』ということの研究もされています。
ここで食事としては、フレイルの予防改善方法の一つに十分な栄養の補給が必要です。加齢に伴い総エネルギー量やたんぱく質、脂質といった栄養素の摂取量が減少した場合、栄養補給をどのようにしていくか。そして、身体能力の低下や骨格筋量の低下に対して予防となる食べ方は、ということなどがフレイル改善の大きなポイントとなります。
例えば「朝食としてしっかり炭水化物とタンパク質を摂取すること」は、食べ方としての提案の一つです。朝食を摂るならどんなタイミングで?何を食べるか?これも重要です。
普段どのような食事をされていますか?「フレイル」を先送りするための、自分らしい生活の方法、食事の方法を今一度一緒に見直してみませんか?まだ高齢者でないという方々も、今の食事が未来の自分の体を作っていきます。今のうちから見直しできるなら、ぜひ一度立ち止まってみられても良いと思います。
執筆者:管理栄養士井上わかこ