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管理栄養士のコラム「 ’’一人一人のいのち輝く毎日の食事’’」4

◯骨粗鬆症予防の毎日ごはん1

骨粗鬆症予防の食事=「骨密度を低下させない食事」とはどのような食事でしょうか。具体的には骨の形成に役立つ栄養素(カルシウム、ビタミンDなど) を積極的に食事に入れることとされています。

私たちが食物から摂取したカルシウムは、小腸でビタミンDなどの働きにより吸収され、血液中に入り、骨に運ばれ骨が作られます。カルシウムは生体内に最も多く存在するミネラルで(体内の約10%)、その99%はリン酸と結合したリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト) として骨の他には歯などの硬組織に存在しています。

では、カルシウムはどのような食材に多く含まれているのでしょうか。
・魚介類(わかさぎ、ししゃも、いわしや鮭鯖の缶詰、しらす、干しエビ)
・藻類(ひじき、わかめ、青のり)
・乳類(牛乳、ヨーグルト、ゴーダチーズ、プロセスチーズ)
・豆類(焼き豆腐、納豆、厚揚げ豆腐、木綿豆腐、凍り豆腐)
・種実類(ごま、ケシの実)
・野菜類(小松菜、モロヘイヤ、菜の花、水菜、大根の葉、切り干し大根)

上記の中でも、一般的には牛乳が骨粗鬆症の予防に良いと言われてきました。その理由が、牛乳や乳製品のカルシウム吸収率が植物性食品に比べて良い、吸収を促進させるもの(ビタミンDとクエン酸の他に) CPPという牛乳中のタンパク質が知られることからです。

同時に、牛乳の摂取量と骨折率が相関すること、食事やサプリメントでカルシウム摂取量を増やしても骨折予防には結びつかないといった論文が2014年、2015年ごろからみられるようになっていて、牛乳=骨粗鬆症予防に最も適した食材という図式は崩れてきています。

それでは、予防の食事とはどのように考えると良いのでしょうか?

例えば、あなたの年齢は?性別は?運動をしている?普段のストレス度は?タバコやアルコールの常習は?両親の骨折歴は?あなたの骨折歴は?など、自分自身をみることが最初の大きなヒントの一つです。そして次の一つは、食べ物の消化と吸収はうまくできているだろうか、ということに焦点を当てること。

その上で普段どのような食事をしているのか、ということをみていくと何をどのように食べることが、あなたにとっての予防の食事になるのかということが見えてくるはずです。一人では難しいと感じたときには、長田整形外科の管理栄養士をどうぞ頼ってみてください。

執筆者:管理栄養士井上わかこ

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