◯砂糖と毎日のごはん
普段から調味料として身近な砂糖は、健康にとって、使い方次第で必要以上に血糖値を上げるなど注意が必要な場合があります。その分類と注意する点などをまとめてみました。
まずは、糖についての分類を分かりやすくしたものが下記の図となります。
”炭水化物”の中の”食物繊維”を省いたものが”糖質”と分類され、その中の”糖類”の2糖類に砂糖は分類されています。
“糖”は食べたものが体内で消化吸収された分子の大きさで呼び名が変わります。
一番小さな糖の単位が「単糖類」:ブドウ糖、果糖など
単糖類が2個結合すると「二糖類」:砂糖、麦芽糖、乳糖など
数個~10個で「オリゴ糖」
それ以上は「多糖類」:デンプン、グリコーゲンなど
食品でいうと、「単糖類」には蜂蜜や果物、「二糖類」には砂糖、果物、蜂蜜、麦芽、水飴、甘酒など、「多糖類」には穀類、芋類などに多く含まれています。
砂糖の注意が必要な点とは、「異性果糖」と言われる糖です。
糖は同じ原料からでも「抽出・精製、分解・糖転移・還元」などの製造工程を変えることにより、多くの種類に分けられます。
多くの種類の中の異性果糖は、とうもろこし、馬鈴薯、サツマイモなどのデンプンを原料に作られ、ブドウ糖と果糖を主成分とする液状糖のことです。糖のうちの果糖の割合によって下記のように呼び方が変わります。
・50%未満:ブドウ糖果糖液糖
・50%以上:果糖ブドウ糖液糖
・10%以上の砂糖を加えた砂糖混合異性化液糖
果糖は果物に含まれているので、果物がよくないのですよね?と言われることがあります。しかし、前述の異性果糖は、自然の形で摂られる果糖とは別のものと捉える必要があります。注意すべきは、人工的に作られた糖であるということです。
異性果糖についてもう少し見ていきます。どの様な点がよくないと言われているのでしょうか。
・口に入れた後すぐに体内に吸収されるので、血糖値を上げやすい
果糖やブドウ糖の様に分子が小さいものは、血糖値を急激に上げます。体内に入った糖質が血管にどのくらいのスピードで吸収されるかはとても重要で、急激に血糖値が上がることで大量のインスリンが分泌されてしまうため、ホルモンバランスが崩れ、一日中、疲労やストレスの波がおこる原因となります。
・甘みが口に残りにくいという特徴もあり、その甘さをまた求める、やめられない甘さと言われる
異性果糖は温度が低い方が甘みを感じるため(砂糖の甘みを100とすると120〜170とも言われる) 、アイスクリームや清涼飲料水に大量(原材料の最初の方に明記されています) に使用されています。取りすぎることでインスリンが追いつかないほどの糖が血液の中にいるとインスリンの働きが効かなくなり血糖を上げるという悪循環が起こります。
・多くの食品などに使われているため、気がつかないうちに摂取している可能性がある
様々な食品に使用されていて、スポーツドリンクや清涼飲料、炭酸飲料、アイスクリームやお菓子・菓子パンなどの甘さがあり想像ができる食品以外に、鍋や焼肉などで使う調味料、料理に使うみりんやだしつゆ、カレーやシチューのルーなどにも使用されています。
いわゆる砂糖(2糖類)も気をつけないと取りすぎるということが現在の食事の中で起こっていますが、「何に」「どのくらい」「どの形で」”砂糖”が入り込んでいるのか、普段の食事や間食で摂取をしているのか、見直す機会としてみてください。
執筆者:管理栄養士井上わかこ