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管理栄養士のコラム「 ’’一人一人のいのち輝く毎日の食事’’」15

◯食べる姿勢と毎日ごはん

「食事は生きる喜び」という言葉があるように、食事は私たちの日々の生活に欠かせないものです。ただ食べるだけでなく、「どのように食べるか」が、私たちの健康に大きく影響していることをご存知でしょうか?今回は、「美味しく食べるための姿勢」について解説していきます。

・美味しく食べるための姿勢ってあるの?

「姿勢?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、食事の際の姿勢は、咀嚼(そしゃく) や、嚥下(えんげ)といった食べ物を消化するための最初のステップに大きく関わっています。

・食べるときに姿勢が大事な理由

一口に「姿勢」と言っても、様々な要素が考えられます。

  1. 背筋を伸ばす: 猫背など、悪い姿勢は呼吸を浅くし、消化器官の働きを低下させる可能性がある
  2. 顎を引く: 顎を引くことで、食堂がまっすぐになり、食べ物が胃に到達しやすくなる、また、気道に詰まるのを防ぐ
  3. 口を閉じて食べる: 口を開けて食べることは、唾液の分泌を抑制し、消化を悪くする可能性がある

正しい姿勢の例:
・椅子にしっかりと座り、背筋を伸ばし、足の裏を地面にしっかりつけること
・床に座る場合は、あぐらをかく、正座をするなど背筋がまっすぐに伸びる姿勢にする

高齢者や筋力が低下していると背筋をピンと伸ばす姿勢は難しい場合がありますが、姿勢が悪いと誤嚥のリスクが高まります。誤嚥は肺炎などの重篤な病気を引き起こす可能性があるため、食事中の姿勢を整えることは非常に重要です。

正しい姿勢で食事をすることで、消化器官が適切に機能し、食べ物の通りも良くなります。これは単に姿勢の問題だけでなく、誤嚥のリスクを減らし、食事をより安全に楽しむことができるのです。

田園調布長田整形外科では、「美味しく食べる姿勢」指導を行なっています。ご希望の方は、診療受付・予約の際に「美味しく食べたい!」とお申し出ください。(診療・リハビリテーションでアドバイスさせていただきます)

「美味しく食べる」ことで、「食」が皆様を「健康と幸せ」に導いてくれます。是非、お試しください!

表紙はUnsplashMeg Jensonが撮影した写真

執筆者:管理栄養士井上わかこ

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