ドクターコラム

膝に水が溜まるってどういうこと?症状・原因・治療について解説【大田区・世田谷区の整形外科医が解説】

膝に水が溜まるという症状は、医学的には「関節水腫」と呼び、関節液が過剰に蓄積した状態を指します。関節液は正常な膝関節にも存在しますが、滑膜の炎症により関節液の分泌と代謝のバランスが崩れると、関節液が過剰になってしまうのです。この記事では、膝に水が溜まると現れる症状、原因、治療法、予防法まで詳しく解説します。

膝に水が溜まるとは?どんな症状が出るのか

「膝に水が溜まる」という状態は、炎症などにより「関節液」が過剰に増えた状態のことです。

関節液は本来、関節の動きを滑らかにする潤滑油の役割と、軟骨組織に栄養を届ける役割を持っています。しかし、何らかの原因で滑膜に炎症が起きると、関節液の分泌と代謝のバランスが崩れ、膝に水が溜まってしまいます。

関節液は徐々に溜まるため、初期には軽い違和感から始まり、進行すると日常生活に支障をきたすようになります。

初期症状でよくあるサイン

● 膝が重たく感じる
● 突っ張る感じがする
● 動かしにくい
● 熱感がある
● お皿の周りがぷよぷよする

膝に水が溜まる初期症状として最も多いのは、膝の重たさや違和感です。朝起きたときに膝が突っ張るような感じがしたり、立ち上がりや歩き始めの動作で膝にぎこちなさを感じたりすることがあります。この段階では歩行に大きな支障はありませんが、違和感を覚えることがあります。

また関節包が突っ張ることで、膝の動きに抵抗が生じるため、正座や深くしゃがむ動作が困難になります。歩きにくさだけでなく、階段で降りる動作に不安定さを感じる方も多いです。

初期の段階では腫れが小さいため、見た目の変化がわかりにくいことがあります。膝を触ると温かく感じたり、膝のお皿(膝蓋骨)の周りが少しぷよぷよとした感触になったりする場合もあり、触ったときの違和感で病院に行く人も少なくありません。こうした症状が見られたときは、早めに整形外科を受診することが大切です。

見た目の変化

膝に水が溜まると、膝全体が腫れぼったくなり、健康な人の膝や腫れていない方の膝と比べて明らかに膨らんで見えます。横から見るとよりわかりやすく、膝のシルエットが丸みを帯びてきます。皮膚のハリが増し、関節周囲がパンパンに張ったような状態になることもあります。

進行すると、膝の腫れが増し、膝を完全に曲げることが困難になります。水が大量に溜まると、膝蓋骨が浮いているように感じ、膝蓋骨を押すと沈み込むような感触(膝蓋跳動)が確認できることもあります。

痛み

初期では動き始めるときに感じることが多く、動いてしばらくすると痛みが和らぐ傾向にあります。症状が進行すると、歩くときの痛みが続くようになり、階段の昇り降り、とくに降りるときに強い痛みを感じるようになります。

初期では圧迫されるような鈍い痛み、ずきずきするような痛みを感じることが多いです。正座しようとしたり、膝を曲げようとしたりして激痛が走ることもあります。このような痛みが続く場合は、早急に医療機関での診察が必要です。

膝に水が溜まる主な原因とは

膝に水が溜まる原因はさまざまですが、冒頭でも触れたように、主な原因は膝関節内の滑膜に炎症が起きることにあります。

軟骨や半月板の損傷、関節への過度な負担、自己免疫疾患などにより滑膜が刺激されると、防御反応として過剰に関節液を分泌します。原因を特定して適切な治療を行わない限り、炎症は収まりません。何度水を抜いても再び溜まり続ける可能性があるため、水を抜いて痛みをおさえると当時に、炎症の原因を治療する必要があります。

以下では水が溜まる炎症の原因をさらに分類して解説します。

加齢や変形性膝関節症によるもの

膝に水が溜まる原因として一般的なのが、変形性膝関節症です。とくに40代以降の中高年に多く見られます。加齢により関節軟骨が弾力性を失い、摩耗していきます。軟骨の厚さは正常では5~7mmほどありますが、これが徐々に薄くなり、最終的には骨と骨が直接ぶつかるようになるのです。

すり減った軟骨や半月板の破片が関節内に散らばり、破片が滑膜を刺激することで炎症が起きます。滑膜は炎症への防御反応として関節液を過剰に分泌するため、代謝が間に合わず膝に水が溜まるようになるのです。女性は男性に比べてより発症しやすく、これは更年期以降のホルモンバランスの変化が関係していると考えられています。

水を抜くと、やや濃い黄色で粘り気の少ない関節液が出ます。変形性膝関節症は進行性の病気なため、段階に合わせて治療が必要です。

ケガ(半月板・靭帯の損傷)やスポーツによる影響

スポーツや事故による膝のケガも、水が溜まる重要な原因です。半月板は膝関節のクッションの役割を果たしていますが、急激な方向転換やジャンプの着地、膝をひねる動作で損傷することがあります。

靭帯損傷、とくに前十字靭帯損傷は、膝の安定性を損なうため、関節内に強い炎症を引き起こします。骨折や打撲などの外傷も、直接的に滑膜を刺激し、関節液の過剰分泌を引き起こします。

また、長期間にわたる激しい運動や、膝に負担のかかる動作を繰り返すことで、慢性的な炎症が生じることもあります。農業や重労働など、膝に負担のかかる仕事をしている方も注意が必要です。

外傷による膝の水を抜くと、内出血の影響で褐色や赤色になっていることが多いです。原因となった損傷が治癒すれば、関節液も自然に吸収される傾向にあります。けがを治すためにも、適切な治療を受けることが重要です。

関節リウマチ・痛風などの病気

関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、免疫細胞が誤って自分の関節組織を攻撃することで起こります。滑膜に慢性的な炎症が生じ、関節液が過剰に分泌されます。朝のこわばりや複数の関節の腫れ、微熱や倦怠感などの全身症状を伴うことが特徴です。

痛風は尿酸の結晶が関節内に蓄積することで、急激に強い痛みと腫れが生じます。関節内の結晶が滑膜を強く刺激し、大量の関節液が分泌されます。

化膿性関節炎などの感染症、全身性エリテマトーデスなどの膠原病、関節内腫瘍なども膝に水が溜まる原因となることがあります。

水を抜くと白濁していることが多いです。こうした疾患は、適切な診断と専門的な治療が必要なため、原因不明の膝の腫れが続く場合は、詳しい検査を受けるようにしてください。

体重・ストレス・生活習慣も関係する?

体重や生活習慣によって膝への負担が増加すれば、炎症につながって膝に水が溜まる可能性はあります。

たとえば体重増加は膝への負担を直接的に増大させます。体重が1kg増えると、歩行時の膝への負担は2~3kg、階段を降りる時には体重の3倍もの負荷がかかるといわれています。肥満により膝関節への物理的な負担が増え、軟骨の摩耗が進行しやすくなり、滑膜の炎症を引き起こします。

またデスクワークなどで長時間座っていると、膝の柔軟性が低下し、急な動作で関節を傷めやすくなりますし、運動不足により膝周りの筋力が低下すれば、関節の安定性が悪くなって、負担が増加すると考えられます

ストレスは直接的な原因ではありませんが、慢性的なストレスは免疫力の低下や身体の回復力の低下につながります。もともと関節の炎症が生じていれば、症状を悪化させる可能性があるのです。

バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣を心がけることが、関節液を過剰分泌させる予防につながります。

膝に水が溜まっているかどうかを確かめる方法

膝に水が溜まっているかどうかは、大まかであれば自宅でも確認可能です。ただし、自己判断だけで安易に済ませず、症状が続く場合は必ず医療機関を受診しましょう。とくに痛みが強い場合や、日常生活に支障が出ている場合は、早急に整形外科での診察を受けてください。

正確な診断により、適切な治療を早めに開始し、炎症の原因を取り除くことが大切です。

自宅でできるセルフチェック

最も簡単なセルフチェック方法は、両膝の見た目を比較することです。鏡の前に立ち、両膝の大きさや形に違いがないか確認します。水が溜まっている側の膝は、明らかに腫れて大きく見えることがあります。とくに膝蓋骨の周囲が膨らんでいないか注意深く観察しましょう。

関節液が多く溜まってきている場合は、膝蓋跳動テストも有効です。膝を伸ばして床に座ってください。片方の手でマッサージをするときのように、太ももから膝の少し上まで、押しながらスライドさせます。膝蓋骨の上で止め、もう片方の手で膝蓋骨を軽く押してください。水が溜まっている場合、膝蓋骨が浮いているような感じがしたり、沈み込んでまた浮き上がってくるように感じたりします。

また膝を触って左右で温度差や感触の違いがないか確認する方法もあります。炎症がある側は温かく感じることが多いです。

また、膝蓋骨の周りを指で押してみて、ぷよぷよとした感触や、押した跡がしばらく残る(圧痕)ようであれば、水が溜まっている可能性があります。

こうしたチェックで違和感を覚えたら、すぐに医療機関を受診してください。

病院で受ける検査(レントゲン・MRI・関節液検査)

病院では、まず問診と視診・触診から始まります。医師は症状の経過、痛みの程度、日常生活への影響などを詳しく聞き取り、実際に膝を触って

 腫れの程度
 動かせる範囲
 膝蓋跳動の有無
 関節の不安定性

などを評価します。

レントゲン検査は、骨の状態を確認するための基本的な検査です。変形性膝関節症では、関節の隙間が狭くなっていたり、骨棘(骨のトゲ)が形成されていたりする様子が確認できます。

ただし、レントゲンでは軟骨や半月板、関節液は映りません。溜まっている水の量を調べたり、炎症の原因となっている他の損傷を調べたりする必要がある場合は、MRI検査を用います。

関節液検査では、注射器で関節液を採取し、色や性状を調べます。正常な関節液は透明で粘性がありますが、炎症があると黄色く濁り、感染があると白く濁った膿のようになります。

病院ではこれらの検査結果を総合的に判断し、最適な治療方針を決定します。

膝に水が溜まったときの正しい対処法

膝に水が溜まった時の対処法は、原因や症状の程度により異なりますが、基本的には安静にして、適切な医療機関での治療を進めることになるでしょう。

これまでに解説してきたとおり膝に水が溜まる原因は多岐にわたるため、自己判断での対処は症状を悪化させる可能性があります。痛みが強い場合や、腫れが急激に進行する場合は、緊急性が高いこともあるため、なるべく早く診察を受けてください。

ここでは、医療機関を受診するまでの応急的な対処法と、してはいけない行為について説明します。

安静にする

膝に水が溜まった時、最も重要なのは膝への負担を減らすことです。無理な活動は炎症を悪化させ、さらに水が溜まる原因となります。可能な限り膝を使う活動を控え、安静を保ちましょう。

仕事や日常生活で避けられない活動がある場合は、膝サポーターを使用したり、杖を使って体重を分散させたりするとよいでしょう。階段の昇り降りはとくに膝への負担が大きいため、エレベーターやエスカレーターを利用してください。長時間の立ち仕事は避け、こまめに座って休憩を取ることも重要です。

安静時の姿勢も工夫が必要です。座るときは膝を90度以上曲げないようにし、寝るときは膝の下にクッションを入れて、軽く曲げた状態を保つと楽になる傾向にあります。ただし、長期間まったく動かないとなると、膝が動かせなくなる恐れもあるため、医師の指導に従って適度に身体を動かす機会をつくる必要があります。

安易に冷やしたり温めたりしない

膝に水が溜まったとき、冷やすべきか温めるべきかは、原因により異なるため、個人の判断で安易に実践するのはやめましょう。

急性の外傷(ケガ)や感染、偽痛風などが原因の場合は、炎症を抑えるために冷やします。
一方、変形性膝関節症などの慢性的な症状の場合は、温めることが基本です。温めることで血流が改善し、筋肉の緊張が和らぎ、痛みが軽減することがあります。

自己判断で誤った処置をすると症状が悪化する恐れがあるため、まずは医療機関で原因を特定することが重要です。

またマッサージも同様に、炎症が強い時期に行うと症状を悪化させる可能性があります。マッサージによって関節液の代謝が促されるのでは、と考える方もいるかもしれませんが、まずは医師の指導に従ってください。

膝に水が溜まったときの治療法

膝に水が溜まった時の治療は、原因疾患や症状の程度によって変わります。

基本的には、まず手術をしない治療である保存療法から開始し、効果が不十分な場合に手術療法を検討します。治単に水を抜くことではなく、水が溜まる原因となっている炎症を抑え、再発を防ぐことが重要です。

関節穿刺(注射器で関節液を抜く)

関節穿刺は、注射器を用いて膝関節内に溜まった水を抜く処置です。外来で行える比較的簡単な処置で、膝の腫れと痛みを速やかに軽減できます。抜いた関節液の色や性状を確認することで、診断にも役立ちます。

水を抜くとすぐに楽になりますが、これは対症療法であり、根本的な治療ではありません。炎症が続いている限り、関節液の分泌もそのままなので、再び水が溜まる可能性があります。「水を抜くとクセになる」という俗説がありますが、これは誤解なのです。

関節穿刺後は、感染予防のため穿刺部位を清潔に保つことが大切です。また、水を抜いた後に後述の薬物療法を行う場合もあります。

処置後は安静を保ち、医師の指示に従って経過観察を行います。症状の改善が見られない場合は、さらなる検査や他の治療法を検討することもあります。

保存療法(痛み止め・ステロイド・ヒアルロン酸など)

薬物療法では、まず非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服薬や外用薬を使用します。これらは炎症を抑え、痛みを軽減する効果があります。症状が軽度の場合は湿布や塗り薬から始め、効果が不十分な場合は内服薬を追加します。

ステロイド注射は、強力な抗炎症作用により速やかに症状を改善します。とくに炎症が強い場合に使用されますが、使いすぎると軟骨を傷める可能性があるため、通常使えるのは年3~4回までです。ヒアルロン酸注射は、関節の潤滑を改善し、軟骨を保護する効果があります。週1回の注射を5回程度行うのが標準的です。

理学療法も重要な保存療法の一つです。膝周りの筋力を強化して関節の安定性を高めたり、関節可動域を広げる訓練により膝の動きを改善したりします。膝サポーターや足底板を使用して、膝への負担を軽減しながら生活します。

手術療法

保存療法で十分な効果が得られない場合、手術療法が必要なることもあります。関節鏡視下手術は、小さな切開から内視鏡を挿入し、損傷した半月板の切除や滑膜の除去を行います。

高位脛骨骨切り術は、O脚変形などにより膝の内側に集中している負担を、骨を切って矯正することで分散させる手術です。自分の関節を温存できるため、比較的若い患者さんに適応されます。人工膝関節置換術は、損傷した関節面を人工物に置き換える手術です。

手術の選択は、年齢、活動レベル、症状の程度、変形の程度などを総合的に判断して決定されます。手術後はリハビリテーションが重要で、筋力回復と関節機能の改善に数ヶ月かかることもあります。最近では、再生医療として、自己の血小板や幹細胞を用いた治療も行われるようになってきています。

膝に水が溜まらないための予防と生活習慣の見直し

膝に水が溜まるのを予防するためには、膝関節への負担を減らし、関節を健康に保つことが重要です。一度水が溜まった経験がある方は、再発しやすい傾向があるため、とくに注意が必要です。予防は治療よりも簡単で、日常生活の中でできることがたくさんあります。

年齢を重ねても自分の膝で歩き続けるために、今から予防を始めましょう。生活習慣の改善は、膝だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。

膝を支える筋肉を鍛える

膝関節を支える最も重要な筋肉は、太ももの前側にある大腿四頭筋です。この筋肉を鍛えることで、膝関節の安定性が向上し、軟骨への負担が軽減されます。簡単で効果的な運動として、椅子に座った状態で片足を前に伸ばし、5秒キープしてから戻す運動があります。1日10回×3セットから始めましょう。

仰向けに寝て行う足上げ運動も効果的です。片足を10cm程度上げて5秒キープし、ゆっくり下ろします。この運動は膝に体重がかからないため、痛みがある方でも安全に行えます。また、プールでの水中ウォーキングは、浮力により膝への負担が軽減され、水の抵抗により効果的に筋力強化ができます。

スクワットも有効ですが、正しいフォームで行うことが重要です。膝がつま先より前に出ないよう注意し、ゆっくりと腰を落とします。痛みがある場合は無理をせず、壁に背中をつけて行う壁スクワットから始めると良いでしょう。筋トレは継続が大切なので、無理のない範囲で毎日続けることを心がけましょう。

これらの運動は炎症が起きているときには負担がかかるため、治療中の方は医師の指導に従ってください。

体重と食生活を改善する

体重管理は膝の健康にとって非常に重要です。BMI(体格指数)が25以上の方は、まず5%の減量を目指しましょう。急激な減量は筋肉も落としてしまう可能性があるため、月1~2kgのペースでゆっくりと減量することが大切です。

食事は野菜を中心に、タンパク質は魚や大豆製品を意識して摂取しましょう。カルシウムやビタミンDは骨の健康に重要で、牛乳・乳製品、小魚、緑黄色野菜を積極的に摂ってくだい。

また糖分の多い飲み物は体重増加につながるため、水やお茶を中心に摂取しましょう。

膝にやさしい動作・姿勢を意識する

日常生活での膝への負担を減らすことが重要です。正座や膝を深く曲げる動作は避け、椅子やソファを使用しましょう。床から立ち上がる時は、手すりや家具につかまって体重を分散させてください。

また猫背になると重心が前に移動し、膝への負担が増加します。背筋を伸ばし、お腹を軽く引き締めて歩くことを意識しましょう。

自己判断で水を抜くのはNG!医師の指導が必要

膝に水が溜まっても、絶対に自己判断で対処してはいけません。民間療法や自己流のマッサージ、市販の器具での圧迫などは、症状を悪化させる危険があります。とくに、針を刺して水を抜こうとする行為は、感染症のリスクも高く、関節の機能を永久に損なう可能性があります。

「水を抜くとクセになる」という俗説から、医療機関での治療を避ける方もいますが、先述したとおりこれは大きな誤解です。

適切な診断と治療を受けずに放置すると、軟骨の損傷が進行し、最終的には人工関節置換術が必要になることもあります。早めに適切な治療が受けられれば、保存的治療で改善可能なことも多いのです。

どれほど症状が軽くても、2週間以上続く場合は必ず整形外科を受診しましょう。発熱を伴う場合、急激に腫れが増大する場合、激しい痛みがある場合は、緊急性が高い可能性があります。

繰り返し膝に水が溜まるのはなぜ?

再発の最大の原因は、水が溜まる根本原因である炎症が治まっていないことです。繰り返しになりますが、一時的に水を抜いても、炎症の原因が残っている限り、再び関節液が過剰に分泌されてしまいます。

変形性膝関節症の場合、すり減った軟骨や損傷した半月板が滑膜を刺激し続けるため、炎症が慢性化しやすくなります。

生活習慣の改善が不十分な場合も再発しやすくなります。体重管理ができていない、膝に負担のかかる動作を続けている、筋力トレーニングを怠っているなど、予防対策が不足していると再発リスクが高まります。

治療を中断してしまう方も多く、症状が改善したからといって自己判断で通院をやめると、再発する可能性が高くなります。

体質的な要因も関係しています。関節リウマチなどの自己免疫疾患がある方、代謝異常により尿酸値が高い方、更年期以降の女性などは、関節の炎症を起こしやすい傾向があります。また、過去に膝の外傷歴がある方、O脚やX脚などの変形がある方も、膝への負担が偏るため再発しやすくなります。

医師の指導に従って継続的に治療を受け、炎症の原因を取り除くことが大切です。日常生活で膝への負担を減らし、再発しないよう予防することも心がけましょう。

まとめ:膝に水が溜まるのは炎症が原因!炎症を治して再発を防ごう

膝に水が溜まる症状は、膝関節内の滑膜に炎症が起きることで生じます。変形性膝関節症、半月板損傷、関節リウマチなど、原因はさまざまですが、共通しているのは炎症により関節液の分泌と吸収のバランスが崩れることです。

初期症状として膝の違和感や腫れ、痛みが現れたら、早めに整形外科を受診することが大切です。水を抜くだけでは根本的な解決にならないため、炎症を抑える継続的な治療と、再発予防のための生活改善を心がけましょう。自己判断での対処は大変危険です。膝の腫れや痛み、膝に水が溜まるのを繰り返して悩んでいるという方は、一度「田園調布長田整形外科」までお越しください。

関連記事