なんか体調が悪い…。
そんな身体の不調を感じたことはありませんか?
その原因、もしかしたら自律神経が乱れているかも。
今回のコラムでは自律神経を整える「食べ物」についてご説明していきます。
自律神経が乱れていると感じたときは、無理をせずに自分を労わってあげましょう。
この記事の監修者
田園調布長田整形外科 & Green Health院長
長田 夏哉 先生
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し日本整形外科学会専門医取得。2005年田園調布長田整形外科を開院。2012年には (株)GREEN EARTHを立ち上げ、トータルヘルスケアに関する教育・啓蒙の講演を国内各地で開催している。
所有資格:日本整形外科学会専門医/日本整形外科学会認定スポーツ医/日本スポーツ協会公認スポーツドクターなど
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この記事は田園調布長田整形外科が公開前の確認をしています。
eye’m編集部 ライター 戸田 沙耶
日本美容外科学会会員の医療マニア。これまで医療系を中心に40本以上の記事を執筆。
1.自律神経とは?
そもそも自律神経とは、交換神経と副交感神経の2つの要素で構成されている身体の機能を制御する神経系の一部です。
交感神経は身体の活動を活発化させる役割を持ち、エネルギーを増やす反応を引き起こします。そして副交感神経は身体のリラックス状態を促進する役割を持っており、この2つの要素で心身のバランスを支えています。
「自律神経が乱れる」という状態は、2つの神経系の活動がどちらか一方に偏ってしまった際、バランスが崩れることによって引き起こされています。
2.自律神経を整える「食」とは
自律神経の整え方には様々な方法があります。今回のコラムでは「食」にフォーカスし、崩れてしまった自律神経の整え方についてご紹介していきます。
自律神経を整える成分
まずは自律神経を整えたいときに摂取したい「成分」についてご紹介していきます。
成分 | 効果 |
GABA (γ-アミノ酪酸) | 不安低減や睡眠の質向上に効果的な成分 |
たんぱく質 | 自律神経を合成する栄養素 |
カルシウム | 神経の緊張や興奮を抑える効果 |
食物繊維 | 腸内環境を整え、ストレスを軽減 |
ビタミンB6 | 興奮を抑える効果やGABAの生成に必要な栄養素 |
ビタミンD | 幸せホルモンのセロトニンの分泌を調節する効果 |
ビタミンU | 胃腸の粘膜を健康に保つ効果 |
γ-オリザノール | 米ぬかから抽出された成分で自律神経を整える効果 |
トリプトファン | 幸せホルモンのセロトニンを増やす栄養素 |
テオプロミン | 脳やからだをリラックスさせる効果 |
アピゲニン | 不安を和らげ、気持ちを落ち着かせる効果 |
これらの成分は偏った自律神経のバランスを整える際に有効的な栄養素となります。
自律神経を整える食べ物
上記でご説明した成分が入っている「食べ物」とは一体なんでしょう。
スーパーやコンビニで簡単に手に入る、おすすめの食べ物をご紹介していきます。
成分 | 食材・食品(一部抜粋) |
GABA (γ-アミノ酪酸) | 発芽玄米・トマト・なす・納豆・漬物・メロン・ブドウ |
たんぱく質 | 豚肉・鶏卵・牛乳・大豆・かつお節・貝柱・枝豆 |
カルシウム | 干しエビ・牛乳・チーズ・ヨーグルト・小魚・焼き豆腐 |
食物繊維 | こんにゃく・ひじき・らっきょう・しいたけ・アボカド |
ビタミンB6 | 牛レバー・ささみ・マグロ・玄米・ブロッコリー・バナナ |
ビタミンD | サンマ・鮭・ぶり・マグロ・干ししいたけ・まいたけ |
ビタミンU | キャベツ・パセリ・レタス・アスパラガス・ブロッコリー |
γ-オリザノール | コメ胚芽油・米油 |
トリプトファン | 豆腐・納豆・チーズ・ヨーグルト・レバー・ナッツ |
テオプロミン | チョコレート |
アピゲニン | グァバ・セロリ・パセリ |
自律神経を整える飲み物
続いては自律神経を整えたいときにおすすめの「3つの飲み物」をご紹介していきます。
ライフスタイルに合わせて、飲みやすいアイテムを選んでくださいね。
◆カモミールティー
カモミールティーには、不安を和らげ、気持ちを落ち着かせる「アピゲニン」の成分が含まれています。
また安眠効果もあるため、寝る前に飲むことで睡眠の質を向上させることが期待できるおすすめのハーブティーです。
◆ココア
ココアには先ほどご説明した、たんぱく・カルシウム・食物繊維・ビタミンB6・テオプロミンなどの成分が含まれており、効率よく栄養を摂取できる飲み物となっております。
また脳のリラックス効果や安眠効果、腸内環境の改善なども期待できます。
ただし糖分の取り過ぎには注意が必要なので、甘味のないものがおすすめです。
◆豆乳
豆乳には、幸せホルモンであるセロトニンを増やす効果が狙える「トリプトファン」が多く含まれています。
またたんぱく質も豊富且つ、抗酸化作用もあるため美肌作りにも最適な飲み物となっております。
他にも、ビタミンCを豊富に含むオレンジジュースや、緑茶・紅茶、ラベンダーやペパーミントといったハーブティーも自律神経を整える効果のあるおすすめの飲み物です。
自律神経に良くない食べ物
自律神経のバランスが崩れると、心身にさまざまな不調が現れます。
この症状は「自律神経失調症」と呼ばれており、放置すると社会生活に大きな支障を来すようになります。
そんな自律神経失調症の際に「注意したい食べ物」は一体なんでしょうか。
◆トランス脂肪酸
別名「食べるプラスチック」と呼ばれているトランス脂肪酸は、自律神経失調症を悪化させる可能性のある成分です。
自律神経の乱れを促進させるだけでなく、生活習慣病のリスクも高まる成分なので意識的に控えていきましょう。
トランス脂肪酸を多く含む食べ物
・マーガリン
・サラダ油
・マヨネーズ
・インスタントラーメン
・スナック菓子
◆砂糖/果糖ブドウ糖液
砂糖の取りすぎも自律神経に悪影響を与えます。
特に白砂糖はビタミンB群を不足させ、身体の体温の低下にも繋がります。
適度な糖分摂取は副交感神経を刺激してくれるのですが「摂り過ぎ」には注意しましょう。
また人工甘味料も腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を乱すため、避けることをおすすめします。
◆カフェイン
集中力を高めたいときや眠気覚ましにピッタリなカフェイン。
ですがこちらも摂り過ぎには注意が必要です。
過剰摂取は自律神経失調症を悪化させてしまいます。
心身のバランスが崩れている時は、ハーブティーやココアなどの飲み物を飲むようにしましょう。
4.まとめ
自律神経が乱れていると感じたときは、生活習慣を見直して、無理せず脳と身体を休ませてあげることが大切です。
また、日頃からバランスの取れた食事の摂取も意識していきましょう。特に血糖値の乱高下(血糖スパイク)と腸内環境に留意が大切です。
自分自身の心と身体を労わりながら、健康且つ元気な生活を送ってくださいね。