◯ 睡眠と毎日のごはん

秋分の日を境に日照時間も短くなってきました。秋の夜長の到来となり、夏の時期に比べて暗くなるのが早くなる上に気温も下がり快適な眠りの条件が揃います。この時期に良質な睡眠をとることは、夏の疲れをリセットするためのポイントにもなります。

食事と睡眠の関係をみる調査は年々進んでいますが、睡眠と栄養は非常に複雑で身体の複数のシステムが相互に関連しているため、睡眠に最適な単一の食事を決定的に実証は難しいようですが、食事が睡眠に関与するホルモン経路に影響を与える可能性は分かってきているようです。

例えば、トリプトファン*1 のような必須アミノ酸やマグネシウムのようなミネラルは、身体が眠る準備をするのを助けます。トリプトファンは日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。

他にも、カルシウム、マグネシウム、ビタミンA、C、D、E、Kなどの主要栄養素が足りないことが睡眠障害と関連していることが、ある大規模な研究で分かりました。

睡眠と関係のある栄養素食材
トリプトファン・マグネシウム・カルシウム・ビタミンA、C、D、E、K乳製品、豆類、ナッツ、肉、魚(脂肪分の多い)、海藻類、種子類、青菜、緑黄色野菜、卵類、油脂類、穀類など

一般的に、様々な野菜や果物を中心としたバランスの取れた食事は、様々なビタミンやミネラルを摂取することができ、健康的な体重を維持しながら、より良い睡眠をもたらします。

むしろ、最も重要なのは、不健康な食品を摂りすぎずに十分な栄養を摂取することです。

例えば、睡眠を妨げる習慣として挙げられるものとして、就寝前のカフェイン、アルコール、重い食事、甘いもの、塩分の高いスナックには注意しましょう。

食欲の秋、秋の夜長にどうしても寝る前に食べる必要があるなら、良質な睡眠のために、低カロリー の炭水化物やタンパク質のおやつがおすすめなようです。

*1トリプトファン: 摂取したトリプトファンは肝臓や腎臓で分解され、エネルギー源として利用されます。また、血液中のトリプトファンが脳内に運ばれると、ビタミンB6・ナイアシン等と結合し、神経伝達物質(神経細胞から神経細胞へ情報を伝達するために必要な成分) のひとつ「セロトニン」が生成されます。日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化します。セロトニンには、睡眠の質の向上や充足感・幸福感を得られる等の作用があり、分泌量が不足すると睡眠障がい・うつ・不安感等の原因になると言われています。

◯ 秋の夜長の良質な睡眠ごはんレシピ

秋しゃけの簡単アクアパッツァ
【材料・2人分】

生鮭…2切れ、下味(塩、粗びき黒こしょう…各少々)、大豆の水煮…50g、玉ねぎのみじん切り…1/2個分、にんにくのみじん切り…1片分、ミニトマト…8個、白ワイン…大さじ1、オリーブ油、塩、粗びき黒こしょう、バター

【作り方】

1.鮭は骨を除き、下味をつける。

2.フライパンにオリーブ油小さじ2を中火で熱し、玉ねぎ、にんにくを入れ、塩、こしょう各少々をふって炒める。玉ねぎが透き通ってきたら取り出す。

3.続けて鮭を皮目を下にして並べ、両面に焼き色をつける。2を戻し入れ、大豆、ミニトマトを加え、白ワイン、水1/2カップを回し入れる。アルミホイルで落としぶたをし、約5分蒸し焼きにする。

4.バター5gを加え、塩、こしょう各少々をふる。好みでパセリの粗みじん切りをふっても。

(236kcal、塩分1.3g)
*参照レシピ:レタスクラブサイトより